母をメクルメクA.B.C-Zの世界に引きずり込んだ話①

 ※この記事は、2016年8月21日に別サイトにて公開したものです。
 
今でこそ、毎週ABChanZooを心待ちにし、私と一緒にA.B.C-Zのコンサートに行くほどA.B.C-Zが大好きな母であるが、私がA.B.C-Zに惹かれだした頃は、とても嫌そうな顔をしていた。
 
私がA.B.C-Zの話をするたび、母は眉をひそめた。私と共に長年嵐を応援し、「嵐しか見えない!」と言い続ける私を間近で見てきた母にとって、私が別のグループを好きになる様子は受け入れ難いものだったのだと思う。
 
私が「Za ABC~5stars~」、「ずっとLOVE」を購入し視聴していた際は、釘付けになって一緒に観ていた母だったが、視聴後しばらくして
 
「DVDは良かったし、●●(私の名前)がA.B.C-Zを好きなのは良いと思うけど、私はそこまで興味持てなかったから、あまりA.B.C-Zの話とかしすぎないでね。」
 
と告げてきた。文字にすると冷たく見えるかもしれないが、好きになったら一直線で、「♪寝ても覚めても 君のこと好きで好きで」となってしまいがちな私。口を開けばA.B.C-Zのこと、となりかねないので、そう忠告されても仕方なかった。
 
そう言われた私は、しばらく一人きりでA.B.C-Zのことを調べたり、曲を聴いたりと楽しんでいたのだが、先に述べた性格を持つ私である。いつかは自分が母にA.B.C-Zへの愛を語ってしまうことは目に見えていた。よって、どうにかして母にA.B.C-Zを好きになってもらう必要があった。
 
そう、これは私が母という一人のA.B.C-Zファンを誕生させた話である。
 
ここまでの部分で、この時期の私は既にA.B.C-Zにかなり惚れ込んでいたように思われるかもしれないが、実際のところはまだ嵐ファンである自分とA.B.C-Zに惹かれている自分の間で揺れ、かなり複雑な心境だったことをことわっておきたい。これについてはいずれまた別の記事でお話ししたいとも思っている。
 
「母をA.B.C-Zファンにする」
そう決心したは良いが、当時受験生だった私にそこまでの時間の余裕はなく、「受験が終わったら、一緒にA.B.C-ZのDVDを見たり出来るようになったら良いな~」くらいに思っていた。
 
しかし、チャンスは突然やってきた。
 
【episode1 未来は明るいかい?】
(※突然文体が変わります。ご注意ください。)
受験勉強で部屋に一人で籠っていることに耐えられなくなり、居間で勉強していた時期があった。そんなある日、集中力が切れ、息抜きにとシャッフルで再生したi podから「未来は明るいかい?」が流れ出した。
一曲聴き終えたとき、普段私がA.B.C-Zの曲を流しても意識して聴いている様子のなかった母がこう言ったのを、私は聞き逃さなかった。
 
「何、この曲?めちゃくちゃ面白い(笑)」
 
(何ッ…!?突然の好反応ッ…!?郁人くんをPRすべきか…!!いや、ここで私が語りすぎると、母はうんざりして引いていってしまうかもしれない…敢えて冷静に…)
 
『でしょ?河合郁人くんのソロ曲だよ。』
 
「へー、歌上手いんだね」
 
(キタ!!好反応!!もう少し攻めてみるか…?)
 
『これ、郁人くんが歌詞書いてるんだよ~。』
 
「ほぉ~、なかなかセンスあるね~。歌声も結構好きかも。」

(よっしゃぁぁぁぁぁぁ!!!!!掴んだッ!!!(何を))
 
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この日を境に、母はA.B.C-Zの曲に興味を示すようになった。

「結構良い曲多いよね~」
と言っているのを聞いた時は、心で大きくガッツポーズをした。
しかし、ここで喜ぶのはまだ早かった。
 
「そろそろ母もA.B.C-Zを好きになってきただろうか」
そう感じた頃に、五人それぞれに対する母のコメントを聞いてみたところ、こう返ってきたのである。
 
河合郁人→面白いし、歌も上手い。顔も可愛い。
戸塚祥太→見るたびに顔が違って覚えられない(おそらく髪型の変化が原因)
塚田僚一→好みじゃない
五関晃一→好みじゃない
橋本良亮→一番好みじゃない。(息子ともいえるほどの年齢差も原因だったと思う)
 
そう、母は河合郁人しか許容していなかったのだ。
まだまだゴールへの道のりは長いと感じ、私は長期戦を覚悟した。
 
このときは、意外にもあっさりゴールに辿り着いてしまうことなど、想像もしていなかった。

 
母が、「一番好みじゃな」かったはずの橋本良亮のうちわを持ち、A.B.C-Zのコンサートに行く日がくることも。
 
 
「母をメクルメクA.B.C-Zの世界に引きずり込んだ話②」に続く。