母をメクルメクA.B.C-Zの世界に引きずり込んだ話④

※この記事は2016年8月24日に別サイトにて公開したものです。

※また、この記事は前回の続きとなりますので、「母をメクルメクA.B.C-Zの世界に引きずり込んだ話①」(https://ebiebilove35.hatenablog.com/entry/2019/03/12/133813)からお読みいただけたら幸いです。

 

長かった受験期に別れを告げ、私は晴れて自由の身となった。

 

もう、我慢しなくていいんだ。

 

一日中アイドル雑誌を読み漁っても、Twittterで、目が痛くなるまでA.B.C-Zのことを調べても、昔、嵐目的で録画保存してあった音楽番組に、A.B.C-Zが出演していたりしないか、しらみつぶしに探してもいいんだ。

 

就寝前、時間を忘れてA.B.C-Zに浸りすぎてしまい、気付けば3時になっていたって、罪悪感を感じることはないんだ。

 

未購入のA.B.C-ZのDVDやCDを大人買いして一気に観ても、誰にも咎められないんだ。

 

 

そんな、夢にまでみた受験後の春休みを迎えた私が、一番最初にしたことは「ワーホリ一気見」だった。

 

「えっ!?受験前に観終えてたんじゃないの!?」

 

そう思った方もいらっしゃるだろう。

その通り。前にも述べたが、ワーホリは受験前にすべて観終えていた。

 

では、なぜこの「何でもし放題」、「まだ見ぬA.B.C-Zをお迎えし放題」な時期に、一番初めにすることとして、「もう一度ワーホリを観ること」を選んだか。

 

もちろん、「一気に観るのが夢だったんだ!」という私自身の気持ちも原因の一つではあったが、そこにはもう一つ理由があった。

 

【episode4 ワーホリは凄かった②】

前回お話した通り、私と母は「私の受験勉強の息抜きとして、ワーホリを一日に一日分観る生活」から、「朝昼晩の食事時に少しずつ再生することで、一日にトータルでディスク一枚分観る生活」に切り替えたのであったが、そうなると不利益を被る人物がいた。

 

父である。

 

仕事を終え帰宅し、家でゆっくり夕食をとろうと思ったら、妻と娘が見知らぬ番組を観ている。仕方なく、自分もしぶしぶ観る。

 

「なかなか面白いじゃないか」

 

そう感じたころ、妻が急に停止ボタンを押す。さらに、次の夕食時には自分の観ていた場面の続きではなく、別の場面が再生される。そんなことが毎日続くのだ。さすがに

 

「パパもちゃんと観たい!!(涙)」

 

こうなるだろう。

 

このような理由から、今度は家族三人で再びワーホリを観始めたのだったが、このおかげで私は、ワーホリ氏の本当の凄さを思い知ることになるのだ。

 

※会話の部分は  母  で色分けしております。

 

「へ~、こういうふうに始まったんだ。」

 

「そうなのよ~、結構面白いよ」

 

「塚ちゃん大変じゃない!?一人でずっと運転してるのかい!」

 

「ね~!偉いよね。」

 

(ふむ…、これは母の心情を確認する良い機会だな…。)

 

「この子が、とっちぃ~だっけ?」

 

「うん、とっつーね。」


「あれ。後藤いるな。」

 

河合郁人ね(笑)」

 

「五関って踊り上手い子だよね?」

 

「そうだよ。」

 

 

両親の会話に耳を傾け、(パパ意外と詳しいな…)なんて思っていたら、ついに父が、母の「一番好みじゃない」彼に着目した。

 

「橋本喋らんな」

 

(まずい…!!母はまだはっしーを苦手としているはず!!私がフォローを入れておくか…!?)

 

私が焦って口を開こうとしたその時だった。

 

「いや、この子大人しくしてるけどそこが可愛いんだよ。年上の四人を、様子を伺いつつ見てる感じでさ。キャンピングカーで真ん中にちょこんと座ってるのも可愛いじゃない。しかもめっちゃいい子。」

 

 

 

エ━━━━━(;゚д゚)━━━━━!?

 

あなた…橋本くんは一番好みじゃないって言ってたじゃないですか…。私と二人でワーホリ見てた時、まったく橋本くんについてコメントしなかったのはなんだったんですか…。

 

そう。母は、私の知らぬ間に、橋本良亮に魅了されていたのだ。

 

母の勢いは止まらなかった。

 

「ほら!このシーン見てて!はっしー可愛いから!」

 

「ねぇ、今の聞いた?めっちゃいい子!」

 

いや…だからなんで一度目の視聴時に言わなかったのそれ…!?

 

 

後になって聞いてみたところ、「あの時ははっしーを可愛いと思ってる自分を認めたくなかったの!」とのことだった。

 

いやはやワーホリ氏の底知れぬ威力、恐るべし。

 

こうして私は、母を「A.B.C-Zメンバー全員そこそこ好きよ」くらいの状態にまでもっていくことに成功した。

 

とはいっても、母はこのとき「パフォーマンスには興味ない」などと言っており、ファンと言うには程遠い状態だったが。

 

私自身は「これでママとA.B.C-Zの話は出来るし、これから徐々にパフォーマンスにも興味を持ってもらえればいいよね」くらいに思っており、状況にはまずまず満足していた。

 

しかし、母はこのあと転げ落ちるみたいに加速して、橋本良亮にハマっていくのである。

 

〝あること"をきっかけに。

 

 

母をメクルメクA.B.C-Zの世界に引きずり込んだ話⑤に続く。